低線量放射線

極めて低い三朝温泉の住民の死亡率

さまざまな研究により効果が証明された三朝温泉の秘密

ラッキー論文に刺激を受けた日本の服部禎男博士を中心とする研究者たちは、専門家による研究委員会を立ち上げ、各地の国立大学医学部などを先頭に、10年以上にわたって低線量放射線の人体に及ぼす影響の研究や動物実験を行っています。

例えば、我が国屈指のラドン温泉として名高い鳥取県の三朝温泉は、ウラン鉱山で知られる人形峠の地下水が湧き出したものといわれており、高濃度のラドンを含む放射能泉です。屋外で観測されるラドン濃度も26ベクレル/㎥と、周辺地域の11ベクレル/㎥と比べてかなり高濃度です。

台湾・コバルト団地の驚くべき実例

ここに放射能にまつわる面白い事例があります。

1992年、台湾のある団地(1982年建設、1700戸、住民1万人)で、ある日突然建物に使われていた鉄筋に放射性物質であるコバルト60が含まれていたことが判明し、大騒ぎになりました。住人が被ばくした線量率は(1983年度)、最も高い部屋で525ミリシーベルト/年、平均でも72.9ミリシーベルト/年だったのです。

これまでの常識では、放射線はどんなに微量でも有害とされてきました。その放射線が、無害なばかりか、実は健康に有益な作用を持っていた。「コバルト団地」のケースは、そんな驚くべき事実を示唆するものでした。

次ページ「数々の実験で実証されたホルミシス効果」≫